高齢者による事故は年々増えてきていますね。
免許返納をされる方も増えてきている一方で、交通手段などが発達していない地域では、車がないと不便という理由で、免許を手放せない高齢者の方も多いというのが現状です。
確かに病院に行くにも、買い物に行くにしても、交通手段がないと厳しいですよね。(>_<)
今後そういった高齢者に優しい交通設備が整ってくれたら…とは思いますが、全国でそれを行うとなると、かなりの費用がかかってしまう為、今はまだ現実化が難しいのかもしれません。
とはいえ高齢者の方による事故で、ご本人も事故に巻き込まれた方も、命を落としてしまっているという悲しい現状はなんとかしなければいけないですよね。
そこで今後、高齢者の方の免許更新の制度が変わるとニュースを見たので、どういった内容なのか調べてみました。
高齢者の免許更新・新制度とは?
新制度とは一体どんな制度なのでしょうか?
まず1つ目は、運転技能検査。
そして2つ目は、安全運転サポート車(サポカー)限定免許です。
どういった内容なのか?
更に、何歳以上の方に適用されるのでしょうか?
何歳から適用?
【運転技能検査】
75歳か80歳以上・過去3年間で信号無視・大幅なスピード違反や事故歴から事故のリスクが高いと判断された方
【運転安全サポート車(サポカー)限定免許】
70歳以上 免許更新の際に自分で選択可能。なので、サポカー限定は義務ではない。
運転技能検査
今の制度は75歳以上の方の免許更新の際に、認知機能検査が必要とされていました。
認知機能検査で引っかからなければ、高齢化講習(講義・運転適正検査・実車指導)を受け免許更新となります。
認知症の恐れのある方は、医師の診断が必要となり認知症と診断されると免許取り消しとなります。
この制度はこれからも継続されるのですが、新しく導入予定の運転技術検査は、導入されれば認知機能検査の前に教習所で運転技術を検査されることとなります。
『技能が不十分な場合には、免許更新を認めない』というのが、新しい制度の内容です。
更にこの検査は、免許の更新期間中であれば繰り返し受験可能なんだそう。しかも、受験回数の上限はないようです。
繰り返し受験できる技能検査に意味はあるのか?という意見も出そうですが…。
ただ、検査の試験で信号無視など重大な過失がある場合は何度も受けられないようになるかもしれないとのこと。
では、どんな技能が求められるのでしょうか?
調べてみたのですが、今のところ詳しい内容は出ていませんでした。
恐らくではありますが、従来の運転適正検査で自分がどんな人物かを判断するような質問がありますが、あの内容を実技でしていくような感じになるのでは?と思います。
例えば、車が停まっている道路で、人が飛び出して来た時の反射力であったり、きちんとその道路の規定速度を守って走っているかなど。
もしかしたら、逆走しないか?などの部分も見られるかもしれませんね。
技能が不十分と判断されてしまうと、免許の更新はできないそうです。
運転安全サポート車(サポカー)限定免許
サポカー限定免許は、免許の更新時に高齢者の方が自主的に選べるようにした免許証です。
70歳以上の方であれば、更新時に運転安全サポート者(サポカー)限定免許か普通免許かを選択できるとのこと。
略してサポカー限定免許と呼びますね。
サポカー限定免許はサポカーしか運転することはできません。(*⁰▿⁰*)
ですが、まさかの選択できる制度なんですね。(゚∀゚)
年齢や検査で運転は可能だけれども、付けたほうが良いと判断された人がこの免許になるのかな?と思っていましたが、選択というところにちょっとびっくりしました。笑
サポカーの正式名称は、「セーフティ・サポートカー」。
サポカーとは?
被害軽減ブレーキが付いた車をサポカー、それ以外の機能・踏み間違い加速抑制装置なども付いた車をサポカーSといいます。
・被害軽減ブレーキ
センサーやカメラで前方の車両や歩行者を検知して衝突の可能性がある場合に警報や自動でブレーキを作動する
・車線逸脱警報
車載カメラで車線を検知して、車線をはみ出した場合は警報を鳴らす
・ペダル踏み間違い時加速抑制装置
停止時や低速走行時に前方や後方に壁や建物などを検知している状態で、アクセルを踏み込んだ際に急加速を防止する
・先進ライト
前方の車や対向車を検知して、ハイビームとロービームを自動で切り替えをしてくれる
安全性の向上を目指して、経産省と国交省を中心にサポカーと呼び普及促進活動を行なっています。
今サポカーの普及は盛んで、今年2019年内には被害軽減ブレーキの義務付けに向けて動いていたそうですが、今年ももう終わり。なかなか難しい状態ですね。
新車の自動ブレーキ搭載に関しては、2021年11月以降に販売される国産の新モデルの車から、自動(衝突被害軽減)ブレーキ搭載を義務付けするとのこと。
この基準は、
・時速30kmで走行しても、道路を横断する歩行者にぶつからないこと。
・停止している車に、時速40kmで近づいても追突しないこと。
などです。
この基準やサポカーの機能、皆さんはどう思いますか?
もちろん無いより有るほうが良いに決まっています。
ですが、これ実は『アクセルを踏み込んだ際は止まらずに加速はしますし、踏み間違いや加速抑制装置は、発進時や超低速時にしか作動しません。』ってことなんです。
高齢者の方の事故において、1番多いのが運転ミスです。
踏み間違いや、速度を落とさずに早い速度でぶつかって事故を起こすのが多いんですよね。
確かに、駐車場などで駐車する際に踏み間違えてアクセルを踏み間違えた際はこの機能は良い機能かと思います。
ですが、信号が赤なことに気づかずスピードが出ていた場合はどうでしょうか?
前方後方に壁や建物を検知している状態、且つ停止か低速でないと作動しません。
最近登校時の子供さんや、信号を渡っていた方に突っ込んでしまったという事故もよくニュースで聞きますよね。
そういった場合には作動できないことが多いということです。
なので、多少の事故は防げるかもしれませんが大幅な事故削減にはならないのではないか?という意見もやはり多いようですね。
いつから導入される?
では、いつから導入される予定なのでしょうか?
報道によりますと、2020年に通常国会に道交法改定案を提出し、成立すれば2022年をめどに施行される見通しとのこと。
あと2年後ということですね。
早いのか遅いのか…。
色々手続きはあるのだと思いますが、事故を増やさない為にも運転技能検査は早く始まって欲しいという気持ちはありますね。
ですが、教習所の教員も少なくなってきている今。
この試験が開始されると、かなりの負担があると思います。
そういった人員を増やすことも今後の課題となっていきそうです。
まとめ
高齢化が進み、こういった問題は今後も増えていきそうな予感ですが。
高齢者の方に限らず、私たちも車やバイクの運転には常に気をつけなければいけないなと、こういった現状を見ると考えさせられますね。
車やバイクは便利ですが、人にとっては凶器と一緒ですから。
それを扱っているのだという意識をもっと持って運転しなければいけないと改めて思いました。
最後までお読みいただきありがとうございます。